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ゴシック建築の光2―光に満ちた空間

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西洋の人々にとって光とは人智を超えた神秘的なものである。
空間における神秘なる光の創造とは?

ゴシック建築はフランスのサン・ドニ修道院の聖堂の改築した際、尖塔アーチとリブ・ヴォールトを使用したのが始まりとされる。

ゴシック建築の特徴を揚げると大きく以下の3つが挙げられる。

尖塔アーチ―昇高性をアピールする先のとがったアーチのことで天井に使用されており、神の国、天上への上昇感を感じさせている。
縦長の大きな窓やバラ窓と呼ばれる丸い装飾された窓―外光がステンドグラスの濃厚な色彩を通して入ってきて低明度の様々な色彩の神秘的な光が堂内を満たす。
フライングバットレス(飛梁)とバットレス(控壁)―堂内の柱を外側から支える石の角張ったアーチ、及び柱のこと。このおかげで堂内の柱が細くても石造りの天井の重みを支えるこ とができるようになり、大きな窓も開けられるようになった。

それまでのロマネスク建築の空間は重厚で壁が厚く、小さな開口部しか持たない暗い空間であった。しかしゴシック建築の誕生により光に満ちた神々しい荘厳なる空間を創造することができるようになったのだ。

―サン・ドニ修道院の改築工事を指揮したシュジュール院長はこのような言葉を残している。

「新しい内陣(注)を古い内陣に結合するや、新内陣は華やかに光輝く。見事に外陣と連結されて内陣は美しさをいや増し、新しい光をあふれんばかりに受けて輝きわたる。」

この言葉から聖堂がそれまでの暗い空間からステンドグラスの幻想的な光に満ち溢れた光あふれる空間へと変化した様子が伺える。
フランスで最も高い大聖堂はアミアン大聖堂で高さは42.3mである。 ステンドグラスの窓で覆われた高さのある壁からは色鮮やかな光が降り注ぎ、堂内に光が満ちる。 壁のほとんどが窓で構成されている壁はゴシック建築の技術があってこそ可能となったものだ。 ゴシック建築はその後、西欧各地に広まり、どの地方においても地上で最も高く、光に満ちた教会を目指して建てられた。 イタリアでは15世紀初頭まで他国では16世紀中ごろまで用いられた。 天からの光が射す永遠の高みへと誘う神聖な空間で、色鮮やかな光の壁に囲まれて、人々は日々の辛さを忘れて神に近づく喜びに満たされていたことだろう。

(注)内陣―聖堂内にある主祭壇を安置するための聖職者専用の空間。

 

image: © Guillaume Piolle

 

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