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化粧と光について5―化粧の歴史(大正時代~現代)

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大正時代になると女性の社会進出が進み、女性にとっての化粧は社会生活をする上での大切なマナーとなる。国産の色付き白粉が普及し、季節や年齢、シーンごとに質感を変えた化粧法が提案されるようになった。

昭和に入り昭和20年代中ごろ、アメリカ文化に影響を受けた「光る化粧」が流行した。その化粧法は下地に油分を塗り、その上に粉白粉やパンケーキを塗る化粧法で、肌に自然な艶が出るため「光化粧」と呼ばれた。

その後、日本では昭和30年代にはピンク色の肌、40年代には小麦色の肌、50年から60年代には肌の美白、という流行がみられた。

飛鳥時代から続いた美しい肌は「白い肌」から「自然な健康的な肌」へと美意識が変わり、女性の社会進出と共に化粧の在り方も女性の生き方、個性を表す「自己表現」へと変化していった。

現在の女性が化粧に求めているものは、素肌感を活かした内からにじみ出るような自然な艶のあるメイクである。光の効果を最大限に利用して生まれる艶は平面的な日本人の顔に立体感を与え、きめの細かい潤い肌に見せることができる。

日本人の化粧は日本の歴史の中で社会制度や女性の生き方と共に変化してきた。現代は化粧品の質も高くなり、TPOに応じて化粧も工夫するようになっている。これからはTPOに加えてもっと光環境―照明―を意識した化粧をすることによってより美しい自分を表現することができると提案していきたい。

美しい素肌を保つことを基本にしながら自分を表現するツールとしての化粧を効果的に利用していつまでも輝く自分でいたいものである。

 

photo by むかしの装い

 

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