週一回照明デザイナーの視点で切り取った折々の風景や気になる言葉を少しずつ綴っていきます。ALG本サイトwww.alg.jp
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夜空に咲く花

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日本と外国の花火は、その歴史的背景とともに大きな違いがある。

外国では、花火は古くは王の権力誇示や貴族の娯楽として用いられた。
円筒形の筒に単色の火薬を機械でプレスしたものを、一方向に放出させる形で平面的な印象である。 ぱっと咲いて散る日本の花火に比べて燃焼時間は長い。

日本では、花火は自然と共に生きる、日本人の心と美意識を大切に発展してきた夏の風物詩であり伝統芸術といえる。
より美しく、より精巧なものを追求してきた日本人の高い技術と深い研究により、従来の球型の他に二次元、三次元の立体型まで多くの種類の花火がある。

燃焼して飛散する時のタイミングや広がりなど、花火の形の美しさや艶やかさは世界に類を見ない。

日本の花火が人を感動させるのは、迫力のある音や光の強さに加えて「美しさ」を楽しめるからだろう。
そして華やかに光輝いて瞬時に消える儚さも、日本人の美意識には心打つものがあるのではないだろうか。

ほんの短い間、春に花を咲かせる桜。
そして夏。 夜空に、ほんの一瞬だけ咲く大輪の花。

人は花火に、「美しさ」と共に「儚さ」を感じ、喜びや悲しみを併せ持つ自身の深い味わいのある人生にまで想いを馳せ、ひと時の饗宴を楽しんでいるように思える。