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大学の光環境について3―目にやさしい照明計画

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現代の日本人の視環境を考えるとテレビやパソコン、スマホなど画像情報端末を見ることに目を使う時間が多くなっている。昔に比べて三次元的なものを見る時間が減って二次元的なものを見る時間が非常に長くなっていると言える。

また、夜までコンビニなどの色温度の高い照明に目がさらされることが多く、目の緊張度は高くなっている傾向である。 精神的、肉体的に緊張の多い生活となっている現代人だが、昔に比べて目の酷使頻度は格段に高くなっている。画像情報端末を見なかった昔のような生活は不可能であり、目の酷使による眼精疲労は多くの人の悩みでもあろう。

また、東日本大震災以後、社会に節電が提唱され、不適切な節電による視環境の悪化が起きているのも事実だ。節電という名目のもとに生活者の視環境の悪化を招いている例がある。主に起きるのは照度不足による目への悪影響である。

これら、現代人の生活全般に、目を労わる光環境の必要性が高くなっている。人間の生理に即した適切な照明の実現を今ほど強く求められている時はないのではないかと考える。目が休まる適切な照度と色温度、明るさを調節できる調光、調色システムはLEDによる理想的な視環境の創造が実現できる優れたシステムである。

大学生活を送る大学構内に於いても、目にやさしい光環境の計画は重要であると考える。目を休ませることができるようなやさしい光による照明でほっとする空間は、忙しい学生生活の中で、癒される空間となることだろう。また、学業に励む空間には適切な照度と色温度の照明、創造性のある活動をする空間には相応しい低い色温度の照明、というように光で活動空間を上手に演出することは、活発な活動を生むための大事な要素である。間の奥行きを感じられる配光、表情豊かな光による照明など、光の効果を最大限に生かした照明計画からは充実した学生生活が生まれるであろう。

そして何よりも学生生活の各シーンが美しい光と共に思い出深い大切なものとなることだろう。

 

photo :大東文化大学東松山キャンパス(ALG照明デザイン)

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