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文様と光 (1) – 序章

皆さんは日本の伝統文様である「市松模様」というと何を思い浮かべるであろうか。

2020年の東京オリンピックのエンブレムを思い浮かべる方が多いことと思う。
新しいエンブレムに使用されたことで、市松模様は広く世間に知られるようになった。一般的な市松模様は、同じ形の四角形で構成されているが、オリンピックのエンブレムは3種類の四角形で形成され、国や文化、思想などの多様性を表現していると言われている。

日本での市松模様の歴史は古く、古墳時代(3~7世紀ごろ)の埴輪に用いられていたという。その後、平安時代に公家や神社の間で使用され、江戸時代に人気歌舞伎役者、佐野川市松が舞台衣装に使用したことから、「市松模様」と呼ばれるようになった。

市松模様の建築装飾として有名なものに、「桂離宮」(1615年ごろ創建)の「松琴亭」の青と白で構成された襖と壁がある。現代にも通用するようなモダンなしつらえである。青と白の色のコントラストが美しく映え、薄暗かった室内に明るい印象を与えていたことだろう。

市松模様のように日本には、古くから伝わる文様があり、現代でも和を表す模様として様々な物に使われている。

今回からは、日本の伝統的な文様と光について見ていきたい。

 

photo by takachiho