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日本を照らす太陽

4月は入学式の季節である。入学式には多くの学校で日本の国旗が掲揚される。白地に赤い太陽を表した国旗を見ると自然と晴れやかな気分になってくる。

日本人は昔から太陽の光を、「万物の成長の元」として崇めてきた。そして時や季節によって微妙に表情を変える太陽の光による美しい風景は日本人の豊かな感性により歌に詠まれたり文に表されてきた。

自然の恵みに感謝しながら暮らしてきた私達日本人の心の拠り所となっている太陽の光。
その太陽の光を象徴する国旗は、見慣れているが、その歴史や旗の規格、象徴されている事柄などについてはあまり知られていないのではないだろうか。そこで今回は国旗について考察してみたい。

現在の白地に赤丸の日の丸と言われている国旗は「日章旗」というのが正式名称である。
赤丸は太陽を表している。太陽をモチーフにした原因として考えられることは、日本人は古来から農耕民族であり、太陽がかけがえのない存在であったことが挙げられる。また、日本の皇祖神、天照大神も太陽神であるように、日本は太陽を信仰の対象にもしてきた。
飛鳥時代末期に国号を「日本」(日ノ本)と命名したことも 太陽(日の出)を意識しており、「日が昇る」という現象を重視していたことが窺がえる。

日本の国旗として使用された歴史をみると701年(飛鳥時代)が最初である。正月の朝賀の儀に日象の旗を掲げた記録があり、現在のようなデザインではなく幟(のぼり)のようなものだった。
平安時代までは、朝廷の象徴である錦の御旗は赤地に金の日輪、銀の月輪のデザインであった。平安時代末期、源平合戦の時に平氏は赤旗、源氏は白旗を使用した。平氏が滅亡し、源氏により武家政権ができると「白地赤丸」の日の丸が天下統一の象徴として受け継がれていった。また、日本では紅白がめでたい色であることも影響していると考えられる。

江戸時代には幕府の御用船にも使われ、ペリー来航の翌年1854年に、日本の船として分かるように「日本総舩印は白地日の丸織り」と定められ、日の丸が日本のシンボルとなった。
明治3年1月には商船に掲揚する旗の規格を定め、同年10月には海軍の艦船に掲揚する旗の規格が決定された。これらにはデザインの違いがあり、国旗に2種類ある状態が長く続いた。

正式に日本の国旗が設定されたのは、1999年(平成11年)に公布された「国旗及び国歌に関する法律」による。国旗の長い歴史があるにも関わらずごく最近に正式設定されたことは意外だと思われる方も多いことだろう。
その規格によると国旗の縦横比は2:3で、日の丸の直径は縦の3/5で中心は旗の中心、色地は「白色」日章は「紅色」と定められている。

日章旗のデザインや色には意味が込められている。
赤は「博愛」「活力」、白は「神聖」「純潔」、日の丸形は「円満」「団結」の意味を表しており、日本人の願いをそこに見ることができる。

入学式に掲げられた国旗。その歴史や意味を思いながら眺めるとよりその明るさが増して見えてくるような気がしてくる。
国旗の日の丸の明るい色が、新しい生活に心躍らせているであろう子供達の未来を明るく照らす光の象徴となって欲しいものである。