週一回照明デザイナーの視点で切り取った折々の風景や気になる言葉を少しずつ綴っていきます。ALG本サイトwww.alg.jp
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澄んだ秋空に描くもの

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夏の間、青空にもくもくと立ち上っていた入道雲が姿を消し、
ふと見上げた先にどこまでも澄んだ青空にうろこ雲が浮かんでいるのを見ると秋の訪れを強く感じる。
うろこ雲は空の高い所( 0.7~1.2Km )に出現する。春にはうろこ雲は、空が霞んで良く見えないが秋には空気が澄んでいるので良く見え、それが空が高いと言われる由縁である。
秋の空が高く思えるのは理由がある。
夏の晴天をもたらす高気圧は太平洋に中心を持ち、水蒸気量が多い。秋の高気圧は大陸から移動してくるため、水蒸気量が少なく、空気が澄んで空の青さが濃く見えるのだ。
秋は夏の間に生い茂った草などにより埃がたちにくいことや、夏より日差しが弱まって気温が低くなり、空気の対流が起こりにくく汚れた空気層が地面近くに留まり上層の空気の透明度が高くなる。

まばゆい太陽の強い日差しを避けて目線を下にしながら木陰を歩いていた夏が過ぎ、爽やかな風の吹く秋となった。
思いきり顔を上げて空を仰いでみよう。
うろこ雲やひつじ雲など様々な形をした空の雲を観察したり、澄んだ空気の中でくっきりと見える夜空の月や星を眺めて楽しんでみよう。

日々の生活の中で生まれる見逃してしまいそうになる、ささやかなディテールに感謝して、冬の前に訪れる色彩鮮やかなほんの一瞬に心を委ねてみよう。

ほのかな優しさが、心にそっと灯るように。
ほのかな優しさを、また伝えられるように。