週一回照明デザイナーの視点で切り取った折々の風景や気になる言葉を少しずつ綴っていきます。ALG本サイトwww.alg.jp
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火の灯るとき

4年に1度のオリンピック。世界が1つになって行われるスポーツの祭典は、誰しもが胸を打たれるドラマがある。世界を繋げる役目に、聖火リレーがある。聖火の歴史は オリンピック同様大変古い。そもそも人類が発見した火とは、光と熱を出す現象。火と人類にまつわる神話は日本のみならず沢山存在する。人類が始めて手にし た火は自然災害によるものだと考えられているが、たとえ種火だとしても持ち帰って利用するまでは相当な勇気が必要だったに違いない。火の持つパワーは計り知れない。火を作る技術によって生活水準は高まり、人類を幸せにした。その一方で、火の使い方によっては悲しみを生むことも多くなったかもしれない。
光には見た目や人間の感じる感覚、五感を刺激する働きがある。光の広がり具合でその空間の「明るい」や「暗い」といった感覚が異なる。その感覚はより内面的なところにも影響し、「安堵感」や「緊張感」を与える要因となる。今ではすっかりお馴染みのLEDは、光の束(ルーメン)が強く直光性があり過ぎる。それにより、光のメリハリが効き過ぎた緊張感のある空間を演出しているのは身近で体感しているだろう。聖火の色温度はというと、思い浮かべるのはとても気持が高揚するような光ではないだろうか。その理由は、聖火の色温度が日の出の頃と似ていて、人間にとって安堵感のある、そして始まりを感じさせる色だからだ。

今なおオリンピックの象徴として役目を持つ聖火には人々の希望がこめられている。
神聖なるその光は今日、ソチの地へと灯られる。