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育児と光(5)

子供部屋の照明

小学生の子供部屋での主な活動は、勉強と睡眠であり、それぞれのシーンに適した光環境とはどんなものだろうか。今回は、学童期の子供部屋と光についてみてみる。

子供部屋では、まず勉強が快適にできる光環境づくりが求められる。

勉強をする場所としては直射日光が当たらない場所に机を設置することが基本である。
そして照明は、明暗のコントラストが大きくならないように、部屋全体を照らす照明と、机の上で勉強するための手元を明るくする照明が必要である。
その際、全体照明が薄暗く、局所照明のスタンドが明る過ぎると手元の光の照り返しで目を傷める原因となるので注意したい。

手元の照明は、手元に影ができないように、照り返しが起きないように、照明の位置、角度の調整が必要になる。大人が光の調整に関してアドバイスをして子供が自分で心地良い光環境を調整できるようにしてあげたい。子供は自分の身の周りの光を調整することから光のコントロール力が身についていくと考える。

全体照明としての照明器具はシーリングタイプが望ましく、ペンダント照明の場合は子供の活発な行動によって器具が破損したりする場合があるので注意が必要である。また、フロアースタンドは子供の活動の妨げになるため避けたい器具である。

また、子供は質の良い睡眠を得ることが非常に大切である。睡眠中には成長に必要な成長ホルモンが分泌され、また、睡眠時間の長さと成績は比例するという研究結果もあり、心身の健康に睡眠は深く関わっている。

睡眠中は部屋の照明は消灯して光を目に当てないようにしたい。わずかな光でも目は調整をし続け、疲れてしまうと考えられている。

そして寝る前はできれば勉強用の光環境と異なり色温度が低い照明にして明るさを抑えた温かみのある光でくつろげる空間にしたい。調光調色タイプの照明器具であれば調整が可能なのでお勧めしたい。

子供部屋の光環境は、子供の心身に大きな影響を与える大事な要素である。光のコントロールを賢く行って子供の生き生きとした健康的な生活を実現したいものである。

 

photo by amy gizienski