週一回照明デザイナーの視点で切り取った折々の風景や気になる言葉を少しずつ綴っていきます。ALG本サイトwww.alg.jp
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雪国の灯り 

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作・川端康成の「雪国」。
光そのものの濃淡や色合いよりも、微かにちらちらとガラスに映しだされるもう一つの世界。
「光」というものをまた違った角度で感じられる、日常風景の一瞬。
微妙で繊細に表現されている一節に、川端康成の表現の奥ゆかしさを感じずにはいられません。

“汽車のなかもさほど明るくはなし、ほんとうの鏡のように強くはなかった。反射がなかった。だから、島村は見入っているうちに、鏡のあることをだんだん忘れてしまって、夕景色の流れのなかに娘が浮かんでいるように思われて来た。”
-川端康成

“The light inside the train was not particularly strong, and the reflection was not as clear as it would have been in a mirror. Since there was no glare, Shimamura came to forget that it was a mirror he was looking at. The girl’s face seemed to be out in the flow of the evening mountains. ”
-Yasunari Kawabata
-Translated by Edward G. Seidensticker