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初日の出とご来光

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新しい年が巡ってきた。元旦は新しい年へと踏み出す心新たなる希望の日である。

「初日の出を見ると縁起が良い」とされ元旦に初日の出を見に出かける人も多い。初日の出のうち特に高い山頂で見る初日の出は「ご来光」と呼ばれている。この「初日の出」と「ご来光」に関してその言葉の由来から言葉に含まれている信仰の対象についてみてみたい。

「初日の出」に含まれる信仰の対象は神道になるという。
かっては豊作の守り神である「歳神様」をお迎えするために元旦には家の中で過ごし、「四方拝」と呼ばれる東西南北を拝むことが習わしであった。後に「歳神様」は年の初めに一年の幸せをもたらすために初日の出と共に降臨すると信じられるようになり、その幸運にあやかろうと明治時代以降、初日の出を拝むようになったと言われている。

「ご来光」に含まれる信仰の対象は仏教である。
初日の出のうち特に高い山頂で見る初日の出は「ご来光」と呼ばれている。ご来光は仏の「ご来迎(ごらいごう)」という言葉からきていると言われている。「ご来迎」は高山の頂上で太陽を背にしたとき、前面の霧に自分の影が大きく映り、その周りに光環が見られる現象を言い、「ご来光」は阿弥陀仏が光背を負うて来迎するのになぞらえて言うようになった。

新年を迎え、皆様の想いや願いはどのようなものだろうか。元旦の朝に拝む初日の出は新鮮で神々しい太陽の光として感じられる。

一年の幸福を願い元旦の朝の太陽光を拝む日本人の風習は、自然と共に生きてきた日本人の慎ましやかな心の祈りを込めた習わしとしてこれからも続いていくことだろう。