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化粧と光について1―化粧の歴史(古墳時代、飛鳥時代)

1_鳥毛立女屏風

現代の女性にとって化粧をすることは、自分をより美しく見せる自己表現手段としてだけでなく、社会生活を送るうえで気分を高め、積極的に生活していくために必要なものとなっている。そして化粧は光と密接な関係がある。
今回からは、私たち日本人が求めてきた化粧の美意識についての歴史を光との関係を含めてたどってみたい。

日本人が化粧を始めたのは、今から1700年前の古墳時代だった。そのころは、呪術的な意味を持って顔や体を赤く塗っていた記録があり、赤い化粧をしていたと言われている。

6世紀後半の飛鳥時代になり、仏教が伝来したころになって紅や白粉(おしろい)が日本に輸入されるようになり日本でおしゃれとしてのメークが始まった。当時は宮廷の生活様式に唐の様式を取り入れており、化粧も唐の影響を受けて、顔に白粉を振り、紅を使ったポイントメイクをしていた。その様は正倉院所蔵の「鳥毛立女屏風」の絵の女性に見られる。

日本独自の化粧文化が生まれたのは、平安時代になってからであった。

 

photo by HERO

 

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