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色彩が象徴するもの1ー白・黒

black&white

国により色彩の象徴する意味や解釈などが異なっており面白い。色が象徴するものについていくつか見てみたい。


世界的にどの国も清潔、純潔、寛容な心などの良いイメージを持つ。
古代の日本では白は神聖な最高の服の色とされていた。
フランスやロシアでは反革命や反共産主義を象徴する。フランス革命やロシア革命の際に王党派が白旗を目印にしたことに由来するといわれている。
また共産主義国では白は「勝利」を象徴し、戦勝パレードでは兵器を白く塗ることがあるという。
旗において白色はカナダでは国土と国の発展を意味し、イタリアではアルプスの雪、正義平和、スイスではキリスト教精神、イランでは平和を表している。


マイナスイメージを持ち、死の象徴とされることが多い。中世のイギリスでは死刑執行が行われると黒旗を掲げた。
政治的には黒はアナキズムを象徴し死ぬまで自由のために闘う姿勢を表現している。またファシズムを象徴する場合もあり、「死んでも忠義を尽くす」姿勢を意味する。
国旗に使われている黒についてみるとドイツでは勤勉を表し、ジャマイカでは国民の強さ、バハマやアンゴラ共和国では国民の力、活気などの象徴とされており、力強いイメージとして使われている。

 

対比する異なる二つの色。 このように、白と黒は光と影を彷彿させる一方で、国によりその意味合いも様々である。
それぞれの国での様々な色のニュアンスを心得ておくと、光の表現も微妙に変わってくるのかもしれない。

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photo by  Dan McCarthy