週一回照明デザイナーの視点で切り取った折々の風景や気になる言葉を少しずつ綴っていきます。ALG本サイトwww.alg.jp
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雨と光の中で生まれるもの

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雨上がり、空にかかる美しい虹。

虹は太陽光が空気中の水滴により屈折、反射されるときに、
プリズムの働きをする水滴によって分散され、複数の色の帯に見える円弧状の光である。

ごく稀に2重に虹がかかって見えることがある。
一つの主虹の上に、もう一本副虹が見える現象で、副虹は水滴中で2回反射した光が目に届いたものでぼんやりと薄く見える。
中国では、色のはっきりした虹(主虹)をオスの竜、色の薄いものをメスの竜として語り継がれている。
この二重の虹は夫婦(めおと)の竜とされ、縁起がよいものとされている。

日中の太陽の光だけでなく、夜間の月の光によっても虹が生まれ、月虹と呼ばれる。
月の光が弱いため色が薄く白く見える珍しい光景で、ハワイでは月虹は見る人にとり「最高の祝福」と言われ、とても幻想的で美しい光景である。

「No rain, no rainbow」―雨がなければ虹はない―
「つらいことや悲しいことがあっても、それを乗り越えたらいいことがある」
というハワイの虹の諺。

様々な条件が重ならないとなかなか見ることができない虹は、
見る人に幸運を感じさせ、未来に良いことが起こりそうな楽しい気分を与えてくれる。
自然の作り出す、ひとときの美しい光の造形。

 

巡り合うことが出来たかけがえの無い、この貴重なひと時にほんわかしつつ、
人々の心に優しさをそっと残してくれる瞬間を大切にしつつ、感謝し続けたい。